2026.06.18

脱・税理士スガワラくんはなぜ伸びた?士業が今からYouTubeで結果を残す戦い方

脱・税理士スガワラくんはなぜ伸びた?士業が今からYouTubeで結果を残す戦い方

「税理士という地味でニッチな仕事で、YouTubeなんて伸びるわけがない」——多くの士業の方がそう思っています。ところがその常識を真っ向から覆したチャンネルがあります。脱・税理士スガワラくんです。

開設からわずか2年2ヶ月で登録者100万人を突破し、現在は登録169万人・総再生5.13億回。日本の士業系YouTubeで断トツの1位です。しかも一発のバズで稼いだのではなく、人気長尺50本の平均が194万再生という「全部が均質に当たる」異常な強さを持っています。

この記事では、まず「なぜスガワラくんはここまで伸びたのか」を5つの要因に分解します。そのうえで、いま士業が同じことを真似しても勝てない理由と、それでも1領域に絞れば巨人の隣で勝てる具体的な戦い方を、チャンネル設計・ペルソナ・企画ロードマップまで落とし込んで解説します。税理士はもちろん、弁護士・社労士・行政書士・司法書士・FPなどすべての士業に応用できる内容です。

この記事でわかること

  • 脱・税理士スガワラくんが伸びた本当の理由(成功要因5つの方程式)
  • 今から士業が「スガワラの丸コピー」をやってはいけない理由
  • 巨人がいる市場で士業が勝つための3つの差別化レバー
  • そのまま使えるチャンネル設計テンプレートと7つの大原則
  • 6〜12ヶ月の企画ロードマップとマネタイズ動線
  • 自分でやる(内製)か、プロに任せる(外注)かの判断軸

脱・税理士スガワラくんとは(まず実績データを確認)

急成長を示すYouTube分析グラフを確認するビジネスパーソン

主役は税理士の菅原由一氏。元国税という経歴を持ち、SMG菅原経営を率いる現役の税理士です。チャンネルの数字を整理すると、その強さがよくわかります。

指標数値
登録者数169万人
総再生回数5.13億回
動画本数1,598本
開設2022年12月(約3年6ヶ月)
投稿ペース約1日2本(長尺+ショート)
人気長尺50本の平均再生194万回(最高427万回)

特筆すべきは、突出した1本(まぐれ当たり)がほぼ存在しないことです。普通のチャンネルは「1本だけ大バズりして、あとは数万再生」という偏りが出ますが、スガワラくんはほぼ全ての動画が200万再生級で均質に当たります。これは「才能やまぐれ」ではなく仕組みで勝っている証拠です。だからこそ、士業が学ぶべき再現可能なモデルになります。

なぜ伸びたのか:成功要因を5つに分解する

5つの成功要因を組み合わせるイメージの積み木

人気タイトル50本を分析すると、スガワラくんの成功は次の5つの掛け算で説明できます。1つでも欠けると「ただの真面目な税理士チャンネル(数万登録止まり)」になっていたはずです。

① 究極に広いペルソナ「税理士なのに税理士の話をしない」

タイトルの頻出語を数えると、圧倒的に多いのが「損」「得」です。一方で、償却・益金・別表といった専門用語はほぼ出てきません。扱うテーマは年金・相続・贈与・社会保険・退職・住民税非課税・給付金のもらい漏れなど、全国民が当事者になるお金の損得ばかりです。

経営者や確定申告をする人だけでなく、年金生活者・主婦・サラリーマン・相続を控えた家族まで取り込んでいます。これは「青森の引きこもりのおじいちゃんが見ても面白い」レベルまでペルソナを広げた典型例です。ニッチな士業知識を、国民的な損得エンタメに翻訳したことが最大の勝因です。

② 権威 × 恐怖「元国税が語るタブー」

「税務調査で言ってはいけないこと」「銀行口座は全部見られている」「これをやってると脱税」。税務調査や脱税は、誰もが聞きたいけど怖くて聞けないタブー領域です。これを「裏側を知る権威」が断言することで、他の税理士が出しにくい一次情報になります。

フックワードも「警告」「要注意」「知らない」「大損」とネガティブ・恐怖トリガーに寄せ、スクロールする指を止めています。怖さで掴んで、最後は「正しくはこうです」と安心で締める。この緩急が視聴維持率を支えています。

③ お金の総合エンタメ化(テーマの三段拡張)

スガワラくんは、当初の節税・経費から扱う対象を計画的に広げてきました。3本柱が明確です。

  • A. 個人の損得:年金・相続・贈与・給付金など、最大ボリュームの全国民向け
  • B. 税務のタブー・恐怖:税務調査・脱税・銀行口座など、独自性と権威の源泉
  • C. 企業決算ニュース解説:トヨタ・楽天・話題のテーマパークなど、時事バズで大衆へ拡張

特に柱Cが秀逸です。「財務のプロが旬のニュースを読み解く」ことで、税金に興味がない層まで入口を広げ、結果として柱Aへ回遊させています。税理士という看板を、経済解説者へと拡張したわけです。

④ 固定フォーマットによる再現性

タイトルに「徹底解説」が何度も登場します。これはフォーマットが完全に固定されている証拠です。菅原氏が一人でカメラに向かい、断言調で20分前後を解説する。この型を崩しません。

尺は中央値20分前後(15〜28分が大半)。長尺SEO・広告収益・滞在時間を同時に最適化しています。型が固定されているから毎日量産でき、品質がブレません。「属人タレント」ではなく「再現可能な番組」として設計されているのです。

⑤ ショート量産 × 運用の工業化

投稿ペースは約1日2本で、その大半がショートです。「借金は完済してはいけない」のような断言型で、新規の入口を量産しています。ショートで認知をとり、長尺で信頼を作り、顧問・書籍・セミナーへつなげる導線です。

この裏側には、STAGEONというプロの制作・運用チームがいます。個人事務所では再現が難しいスケールの量産を、運用の工業化によって実現している点も見逃せません。

勝ちパターンの方程式

整理すると、スガワラくんの成功はこう表せます。

国民的損得テーマ(広いペルソナ)× 元国税の権威・タブー × お金エンタメへの拡張 × 一人語り20分の固定フォーマット × ショート量産+運用の工業化

くり返しますが、このうち1つでも欠けると凡庸なチャンネルになります。スガワラくんは5要素を全部そろえた。だから断トツになったのです。

【重要】今から士業がスガワラを丸コピーしても勝てない

巨大な王と小さな駒、先行者という巨人を表すチェス盤

ここが多くの士業がつまずくポイントです。「成功要因がわかったなら、同じことをやればいい」と考えがちですが、それは間違いです。理由は明確で、すでに巨人がいるからです。

「お金の損得を広く浅く解説する総合チャンネル」という土俵は、スガワラくんと山田真哉さんがほぼ独占しています。後発が同じ土俵で正面衝突しても、登録者数・本数・運用体制すべてで勝てません。総合で真っ向勝負を挑むのは、時すでに遅しなのです。

しかし、悲観する必要はありません。競合地図を見ると、中堅で生き残っているのは「相続だけ」「税務調査だけ」といった縦に特化したチャンネルです。つまり、士業の新規参入の勝ち筋は「総合」ではなく「特化」にあります。総合でスガワラに勝つのは無理でも、1領域の深さなら上位互換を作れるのです。

士業が今から結果を残す勝ち筋:垂直特化 × 当事者目線 × 顔出し

一点を狙う弓矢、垂直特化の勝ち筋を表すイメージ

スガワラくんの強みは、裏返すとそのまま弱点になります。その弱点こそ、あなたの勝ち筋です。

スガワラの強みその裏にある弱点(=あなたの勝ち筋)
広く浅い総合1領域の深さ・最新性・地域性が薄い
全国民向け特定の人の固有の悩みには踏み込めない
一人語り・解説中心当事者の体験・再現・対談は手薄
税金・お金労務・許認可・登記・知財・在留など隣接領域は手薄
1個人の権威依頼の出口が遠い(あなたは地域×個人で即相談に繋げられる)

ここから導かれる差別化の3レバーは次の通りです。最低でも2つは使ってください。

  1. 垂直特化:扱う領域を1つに絞る(相続だけ/助成金だけ/不動産登記だけ/離婚だけ)。「◯◯といえばこの人」を取りにいく。
  2. 対象特化:見る人を1業種・1ライフステージに絞る(建設業の社長専門/開業医専門/おひとりさま終活専門)。
  3. 形式差別化:解説一本槍のスガワラに対し、当事者インタビュー・再現ドラマ・ビフォーアフターで「体験できる」コンテンツにする。

スガワラくんの再生数を見ても、相続(427万)・年金(400万)・贈与(282万)など「特定の人の人生の岐路」に刺さるテーマが上位です。あなたが1領域を深く掘れば、その人にとってはスガワラくんより役立つ存在になれます。

勝てるチャンネル設計:まず守るべき7つの大原則

カメラと企画カレンダーが並ぶ、チャンネル設計のデスク

スガワラくんの成功要因を「設計図」として転用しつつ、正面衝突を避けるための7原則です。

#原則具体アクション
1専門用語を全部捨てる中学生や自分の親が分かる言葉だけ。業界用語は1動画1個まで
2テーマは資格ではなく視聴者の損得「基礎控除とは」ではなく「親が死ぬ前にやらないと数百万損する話」
3タブー・恐怖で掴み、安心で締める「やってはいけない」で掴み→「正しくはこう」で解決
4権威を1秒で伝える「元◯◯」「審査側だった」「多くの相談を見てきた」を冒頭とサムネに固定
5フォーマットを固定して量産する撮影セット・構成・話し方を型化。台本テンプレを作り週次で回す
6ショートで入口、長尺で信頼、本業で回収ショート=認知、長尺=教育、概要欄・公式LINE=相談予約
7時事を専門家の目で解説する自分の専門に絡む事件・改正・炎上をプロの視点で語る

チャンネルコンセプトの型

コンセプトは1文で言い切れる必要があります。例として「相続に強い税理士」で設計するなら、こうなります。

「家族が亡くなる前後の“お金で揉める・損する”を、元◯◯の専門家が当事者目線で全部見せるチャンネル」

チャンネル名は「専門 × 誰の味方か × 人柄」の型が効きます。スガワラくんの「脱・税理士」のように、業界の常識を脱ぐ逆張りネーミングは記憶に残ります。

トンマナ

士業は「人」で選ばれます。顔出しは必須です。背景は事務所や書斎、テロップは太ゴシックの白+黒縁で大きめにし、視認性を最優先にします。話し方は断言調+共感。「〜かもしれません」を捨て、「〜です。理由は3つあります」と言い切ってください。

「やればいい」と分かっても、撮影・編集・台本・サムネ・分析まで一人で回すのは現実的ではありません。スガワラくんですら専業チームがついています。続ける仕組みを最初に作ることが、結果を出す最大の近道です。

ペルソナ設計:3層の同心円で広さを再現する

年代の異なる3層のターゲット視聴者を表す人物グループ

スガワラくんは「全国民」を相手にしますが、新規は3つの濃いペルソナに刺し、その重なりで面を取ります。相続特化を例にすると次のようになります。

ペルソナ内なる声役割
P1 本命(最大ボリューム)50〜60代・親の介護や死が現実になった子世代「親が元気なうちに何をすればいい?揉めたくないし損したくない」土台づくり
P2 緊急(高CV)親が亡くなった直後・期限に追われる喪主「10ヶ月以内って何を?口座が凍結された、誰に頼めば」即マネタイズ
P3 拡張(拡散)30〜40代・まだ他人事だが不安「自分のときどうなる?相続って怖い話なんでしょ?」拡散・ファン化

P1で土台を作り、P2で即収益化し、P3で拡散とファン化を狙います。スガワラくんの「広いペルソナ」を、3層の同心円として再現するイメージです。

6〜12ヶ月の企画ロードマップ

マイルストーンが並ぶ前進する道、企画ロードマップのイメージ

YouTubeは「1本の点」ではなく「連続した設計」で考えます。フェーズごとに作るべき企画を具体化します。

フェーズ0(開設前:設計)

領域・対象・形式の3レバーを確定し、チャンネル名・サムネ雛形・冒頭フォーマットを固定します。最初の30本の企画リストを先に作ってしまうことが、継続のコツです。毎回ゼロから考えていると必ず止まります。

フェーズ1(1〜2ヶ月目:SEOの土台=柱A)

検索で確実に当たる「資産動画」を積みます。相続なら「基礎控除はいくらまで?」「親が亡くなったら最初にやること7ステップ」「兄弟で揉めない遺産分割」などです。3ヶ月で登録1,000人と収益化を目標にします。

フェーズ2(3〜5ヶ月目:恐怖・タブーで突き抜ける=柱B)

「元◯◯だから言える裏側」「知らないと追徴課税」系で独自性を出します。「税務調査が来る相続の特徴」「やると一発アウトの贈与」「親の口座が凍結されるタイミングと回避策」など。ショートを1日1〜2本並走させ、登録1万人を狙います。

フェーズ3(6〜9ヶ月目:当事者ドラマ・時事で大衆拡張=柱C)

専門に興味がない層まで取りにいくフェーズです。「相続で絶縁した兄弟」のような再現ドラマや、有名人の相続騒動の解説で間口を広げます。許可を取った依頼者の手続きを連続で追う「リアル相続密着シリーズ」も有効です。登録3〜5万人と相談予約の安定流入が目標です。

フェーズ4(10〜12ヶ月目以降:仕組み化とマネタイズ最大化)

当たった型をフォーマット化して量産します。外部ライターや編集の体制を作り、セミナー・書籍・有料相談・顧問契約へつなげます。公式LINE登録→無料相談→受任の動線を磨いていきます。

毎回使い回せる企画の型

  • 損得型:「知らないと数百万損する◯◯」
  • 恐怖型:「やってはいけない◯◯/◯◯すると追徴課税」
  • 比較型:「◯◯と△△、どっちが得?」(父と子どっちが相続して得か=スガワラ288万再生の型)
  • 時事型:「話題の事件・改正を専門家が解説」
  • 当事者型:「実話・◯◯した人に聞いてみた」

投稿・運用・マネタイズの動線設計

投稿リズムの例は、長尺を週2本(火・金)+ショートを週5〜7本です。最初は質より「型を固めて続ける」ことを優先します。冒頭3秒は結論か恐怖を先出しし(「親の口座、凍結されます」)、自己紹介は5秒以内で権威を伝えます。サムネは顔+数字+断言、タイトルは検索ワードをフルで入れて損得と権威を添えます。

マネタイズの動線はこうです。

ショート(認知)→ 長尺(信頼・教育)→ 概要欄・公式LINE(無料相談)→ 個別面談 → 受任・顧問・セミナー・書籍

ここがスガワラくんと士業の決定的な違いです。個人士業は地域×個人案件で1件の単価が高い。だから登録10万人もいらないのです。登録者数より相談予約数をKPIに置いてください。相続案件が月数件動くだけで、事務所経営は大きく変わります。

自分でやるか、プロに任せるか(内製 vs 外注)

一人で抱える働き方とチームで進める働き方、内製と外注の比較イメージ

ここまで読んで「やることは分かった。でも全部一人でやるのは無理だ」と感じたなら、それが正しい感覚です。スガワラくんですら専業チームがついています。士業の本業をやりながら、企画・撮影・編集・台本・サムネ・分析・コメント対応まで一人で続けるのは、ほぼ不可能です。

選択肢は大きく2つあります。

  • 運用代行(外注):企画から編集・分析まで丸ごとプロに任せる。立ち上げが速く、本業に集中できる。
  • 内製化(インハウス):社内に運用ノウハウと体制を作る。長期的にコストが下がり、自社資産になる。

どちらが正解かは、事務所の人員・予算・本気度で変わります。最初は外注でスピードを取り、当たった型が見えたら内製へ切り替えるハイブリッドも有効です。大切なのは、最初から「続く仕組み」を設計することです。スガワラくんが勝ったのも、結局は仕組みと体制の差でした。

自社にどちらが合うのか、まずは無料で相談してみてください。

まとめ

脱・税理士スガワラくんが伸びたのは、税理士をやめて「国民のお金の損得を翻訳する人」になったからです。成功要因は、広いペルソナ・権威とタブー・お金エンタメへの拡張・固定フォーマット・量産と運用工業化の5つの掛け算でした。

そして士業が今から結果を残す鍵は、その丸コピーではありません。1領域を垂直に、当事者目線で、顔を出して掘ることです。総合でスガワラに勝つのは無理でも、「相続だけ」「助成金だけ」の深さなら、巨人の隣に独自のポジションを築けます。資格の知識を売るのではなく、視聴者の損・得・恐怖・安心という感情に翻訳する。これが士業YouTubeで勝つ本質です。

とはいえ、本業をやりながら一人で続けるのは現実的ではありません。運用代行で一気に立ち上げるのか、社内で内製化の体制を作るのか。あなたの事務所に合った戦い方を、まずはプロに相談するところから始めてみてください。

※本記事の数値はvidiqの公開統計に基づく分析であり、再生数にはサムネ・公開時期・アルゴリズム・外部流入も影響します。相関であって順位を保証するものではありません。