
**結論から言うと、不動産のSNS運用代行は「フォロワー数」ではなく反響(問い合わせ・来店)につながる設計力と、宅建業法・景品表示法への理解で選ぶのが正解です。
** ポータルサイトの反響単価が上がり続けるいま、Instagram・TikTok・YouTubeは新規反響と採用ブランディングの主戦場になりました。
一方で不動産は「おとり広告」「優良誤認」「ステマ規制」など広告表現の制約が特に厳しい業界です。SNS運用の一般論に強いだけの会社へ丸投げすると、成果が出ないどころか不当表示による投稿削除・行政指導のリスクまで抱えかねません。
この記事では、発注先を選ぶ判断基準・代表10社の比較・費用相場に加えて、そのままコピーして使える発注条件シート、内製と外注の判断フロー、よくある失敗の回避手順までまとめました。この1本で発注判断に必要な材料が揃います。
なお本記事を運営するRe.Quest(株式会社Re.Quest/request.ne.jp)も不動産業界のSNS支援を手がけていますが、自社を恣意的に上位化することはせず、運営者である旨を明記したうえで比較の1社として掲載しています。

SNS運用代行とは、アカウントの企画・投稿制作・分析改善を外部の専門会社へ委託するサービスです。
不動産の場合は一般的な運用に加えて、「物件・エリア・暮らし」を魅力的に見せる撮影力と、業界の表示規制を踏まえた原稿チェックが求められます。対応範囲は会社ごとに幅がありますが、代表的な業務は次のとおりです。
大切なのは「発信すること」自体を目的にしないことです。反響という出口から逆算し、どのSNSで何を出し、どこへ誘導するかまで設計できる会社を選びましょう。

数十社が乱立するなかで失敗を避けるには、次の5基準で候補を絞るのが近道です。
不動産の目的は「いいね」ではなく問い合わせ・来店・成約です。提案時に反響数・反響単価・来店数といったKPIで成果を説明できる会社かを確認しましょう。
フォロワー増加や再生数だけを成果として提示する会社は、目的とずれている可能性があります。
不動産広告には宅地建物取引業法、景品表示法、そして業界固有の「不動産の表示に関する公正競争規約」が関わります。
おとり広告や優良誤認・有利誤認、2023年10月に施行されたステマ規制など、投稿原稿の段階で法令チェックができる体制があるかは必須の確認項目です。
賃貸仲介と投資用物件、注文住宅とリノベでは、刺さる訴求も見せ方もまったく異なります。同じ商材・近いエリアでの支援実績を、具体的な事例で確認しましょう。
実績を「守秘」で一切見せない場合は、匿名化した事例やKPIの説明を求めます。
物件・スタッフ撮影を伴う不動産SNSは、企画だけを外注しても現場が回りません。撮影・編集・投稿・分析までワンストップで対応できる会社か、逆に撮影は自社で行い企画分析だけを頼むのかを、社内リソースと照らして決めます。
契約終了後にアカウントや投稿資産が自社に残るか、最低契約期間や解約予告はどうかを、契約前に必ず書面で確認します。ここが曖昧なまま進めると、成果が出ても資産を引き継げないリスクが残ります。
この5基準は稟議で説明する評価軸としてもそのまま使えます。まずは自社の状況(内製リソース・予算・目的)を整理したうえで、次の比較表と照らし合わせてください。
不動産業界のSNS運用で名前が挙がりやすい代表的な10社を一覧化しました。**料金・サービス内容は変動するため、必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
** 個別料金は公開情報が限られるため、確認できないものは「要問い合わせ」と記載しています。
| # | 会社名 | タイプ | 得意領域の傾向 | 不動産対応 | 料金目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Re.Quest(株式会社Re.Quest)※本記事運営者 | SNS集客設計・支援 | 反響設計・集客導線 | 相談可 | 要問い合わせ |
| 2 | 株式会社いえらぶクリエイターズ | 不動産特化 | 不動産×IT・制作 | 不動産特化 | 要問い合わせ |
| 3 | 株式会社プロパティフォース | 不動産DX・集客 | 不動産の集客・認知 | 不動産特化 | 要問い合わせ |
| 4 | ソラスプランニング | 不動産・リフォーム専門 | Instagram運用 | 不動産・リフォーム特化 | 初期費用+月額(要問い合わせ) |
| 5 | 株式会社SAKIYOMI | SNS運用(Instagram強み) | Instagram運用・分析 | 業種横断で対応 | 要問い合わせ |
| 6 | 株式会社ホットリンク | SNSマーケ | 戦略設計・分析 | 業種横断で対応 | 要問い合わせ |
| 7 | 株式会社コムニコ | SNS運用代行 | 運用体制・分析 | 業種横断で対応 | 要問い合わせ |
| 8 | 株式会社pamxy | 動画・SNS | 動画・ショート制作 | 業種横断で対応 | 要問い合わせ |
| 9 | StockSun株式会社 | Webマーケ(アサイン型) | 戦略・運用 | 業種横断で対応 | 要問い合わせ |
| 10 | 株式会社Leading Communication | SNS運用 | 運用・制作 | 業種横断で対応 | 要問い合わせ |
この10社はあくまで比較の出発点です。最終的には「基準2(表示規制の理解)」と「基準3(自社商材の実績)」を各社へ直接ヒアリングし、提案内容で判断してください。
代行会社を探す前に、そもそも外注が最適かを確認します。次の観点で自社を棚卸しすると、判断がぶれません。
| 判断軸 | 内製が向くケース | 外注が向くケース |
|---|---|---|
| 社内リソース | 撮影・編集・分析ができる人員が確保できる | 通常業務が忙しく継続投稿が止まりがち |
| 立ち上げ速度 | 半年〜1年かけて育てられる | 早期に反響の仕組みを作りたい |
| 表示規制の知見 | 社内で法令チェックが完結する | 原稿の法令リスクを外部の目で担保したい |
| ノウハウ蓄積 | 長期的に自社の資産にしたい | まず勝ち筋を外部から学びたい |
現実的には、立ち上げは外注で勝ちパターンを作り、運用が安定したら段階的に内製へ寄せるハイブリッドが有効です。外注する場合も、投稿テンプレートや分析レポートを社内に残す契約にしておくと、将来の内製化がスムーズになります。
自社の商材・エリアに合った設計方針を固めたい場合は、比較検討と並行して一度専門会社へ相談すると論点が整理できます。
料金は「対応範囲」で大きく変わります。公開情報や比較記事で示される一般的な相場観は次のとおりです(各社の実際の料金は要問い合わせ)。
| プラン帯 | 月額の目安 | 主な対応範囲 |
|---|---|---|
| 運用代行のみ | 月5〜30万円前後 | 企画・原稿・投稿・簡易分析。撮影は自社側 |
| 動画制作込み・フル運用 | 月30〜100万円前後 | 企画〜撮影・編集・投稿・分析・改善まで一貫 |
| 広告運用(オプション) | 別途(広告費+運用手数料) | Instagram・LINE・TikTok広告での誘導 |
このほか、アカウント設計・世界観構築で運用開始まで1〜1.5か月程度の準備期間を要するケースでは初期費用が発生し、撮影回数や投稿本数によってオプション課金が加わることもあります。
不動産は1件あたりの粗利が大きいため、「月額費用÷獲得反響数=反響単価」でポータルサイトと比較すると投資判断がしやすくなります。安さだけで選ぶと、投稿本数は多いのに反響ゼロという結果になりがちです。
金額の絶対値ではなく、反響単価とその改善余地で判断しましょう。
問い合わせ前にこのシートを埋めておくと、各社への相見積もりで条件が揃い、提案の比較がぶれません。コピーして社内で共有してください。
| 項目 | 記入例・確認ポイント |
|---|---|
| 目的 | 新規反響/来店促進/採用ブランディングのどれか |
| 対象商材・エリア | 例:都内23区の賃貸仲介、地方の投資用区分 |
| 目標KPIと期限 | 例:6か月で月間問い合わせ+10件 |
| 対応SNS | Instagram/TikTok/YouTube/LINEの優先順位 |
| 内製できる範囲 | 撮影・原稿・投稿のうち自社で回せる工程 |
| 予算上限 | 月額と初期費用のレンジ |
| 誘導先の導線 | 問い合わせフォーム/LINE/来店予約 |
| 社内の承認フロー | 原稿確認・投稿承認を誰が行うか |
条件を明文化してから相談すると、代行会社側も精度の高い提案を出しやすくなり、「発信量は多いのに反響が伸びない」提案を最初から除外できます。
候補が絞れたら、契約前に次の項目を書面で確認します。ここを詰めておくと、後々のトラブルを大きく減らせます。
これらを曖昧にしたまま進めると、成果が出てもアカウント資産を引き継げない、あるいは規約違反で投稿削除といった事態になりかねません。
拡散狙いの投稿ばかりで、ターゲットと反響導線がずれているのが原因です。契約時にKPIを反響数で合意し、プロフィール→問い合わせ(LINE・フォーム)までの導線をセットで設計しましょう。
成約済み・実在しない好条件物件の掲載、根拠のない「地域最安」などの表現が原因です。原稿を必ず表示規制を理解した担当がチェックする体制の会社を選び、社内でもダブルチェックのフローを作ります。
アサイン型で経験の浅い担当が付き、企画・分析が回らないケースです。契約前にアサイン担当者の実績と、複数名でのレビュー体制の有無を確認します。
丸投げで自社らしさが失われ、投稿トーンがぶれるのが原因です。初期のアカウント設計(トンマナ・投稿テンプレート)を書面化し、月次で方針をすり合わせます。
管理権限が代行会社側に集約されていると起こります。アカウントの所有・管理権限は必ず自社が持つ形で契約しましょう。
運用代行のみで月5〜30万円前後、撮影・編集を含むフル運用で月30〜100万円前後が一般的な目安です。初期費用や撮影回数によるオプションが加わることもあります。
実際の金額は対応範囲で変わるため、各社に見積もりを依頼してください。
成果指標が曖昧・実績を一切示せない・極端に安い会社には注意が必要です。反響KPIで成果を説明でき、契約条件(所有権・解約)が明確な会社を選べば、リスクは大きく下げられます。
会社により異なります。企画・原稿・投稿までの「運用代行のみ」から、撮影・編集・分析・広告運用まで含む「一気通貫型」まで幅があります。
自社でどこまで内製できるかを先に整理し、範囲を指定して見積もりを取ると効率的です。
アカウント設計や世界観構築に運用開始まで1〜1.5か月程度かかることがあり、反響として表れるまでは数か月単位で見るのが現実的です。短期の一発ではなく、投稿と改善を継続して積み上げる前提で計画しましょう。
主に3点です。おとり広告(成約済み・実在しない物件の掲載。宅建業法・公正競争規約で禁止)、優良誤認・有利誤認などの不当表示(景品表示法)、ステマ規制(2023年10月施行。広告であることを隠した投稿の禁止)です。
投稿前にこれらをチェックできる体制の会社を選びましょう。
会社と契約内容によります。トラブルを防ぐため、アカウントの所有・管理権限が自社に残るか、投稿データを引き継げるかを契約前に必ず書面で確認してください。
不動産のSNS運用代行選びで最も大切なのは、フォロワー数の多さではありません。反響(問い合わせ・来店)から逆算できる設計力と、宅建業法・景品表示法・公正競争規約・ステマ規制への理解を両立している会社を選ぶことです。
判断に迷ったら、次の手順を踏んでください。
この基準とシートをそのまま稟議の評価軸に使えば、社内の意思決定も速くなります。自社の商材とエリアに合ったSNS集客の設計方針を具体的に相談したい場合は、比較検討と並行して一度専門会社に相談することをおすすめします。
ここまでの内容を実務へ落とし込むために、次の検索意図につながる3記事もあわせてご覧ください。
こんな方におすすめ: 高額商材を長尺動画で詳しく伝えたい方
不動産YouTubeの企画、集客導線、内製・代行の判断軸を確認できます。
こんな方におすすめ: 物件写真やルームツアーをInstagramで活用したい方
撮影から投稿・分析までの支援範囲と会社選びを整理できます。
こんな方におすすめ: 複数媒体の役割とKPIを設計したい方
認知・比較検討・問い合わせをつなぐSNS戦略の全体像を把握できます。