
「問い合わせや商談のもとになる見込み客を、もっと安定的に増やしたい」——マーケティングや営業に関わる方なら、誰もが一度は突き当たる課題がリード獲得です。
展示会、Web広告、SEO、SNS、ウェビナー……施策の選択肢は年々増えている一方で、「施策が多すぎて、自社は何から手を付けるべきか分からない」という声も少なくありません。
この記事では、リード獲得の基本から具体的な方法15選、施策ごとの費用相場、そして自社に合った施策を選ぶための4ステップまでを、一気通貫で解説します。
広告費の高騰や展示会の頭打ちを感じている方に向けて、いま注目される「動画・YouTubeを使った資産型のリード獲得」についても、実務の視点から詳しく掘り下げます。
この記事でわかること

リード獲得とは、自社の商品やサービスを将来購入してくれる可能性のある「見込み客(リード)」の連絡先や接点を獲得する活動のことです。マーケティング用語では「リードジェネレーション」とも呼ばれます。
具体的には、資料請求やメルマガ登録、展示会での名刺交換、ウェビナーへの申し込みなどを通じて、氏名・会社名・メールアドレスといった情報を得て、継続的にアプローチできる状態を作ることを指します。
リードとは「将来的に顧客になる可能性のある個人や企業」のことです。ただし、一口にリードと言っても温度感はさまざまです。
| リードの状態 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| ホットリード | 課題が明確で、導入を具体的に検討 | 見積もり依頼・無料相談の申し込み |
| ウォームリード | 課題を認識し、情報収集の段階 | 資料ダウンロード・ウェビナー参加 |
| コールドリード | 課題が顕在化していない | 展示会の名刺交換・メルマガ登録のみ |
重要なのは、リードの「数」だけでなく「質(受注につながる可能性)」をセットで見ることです。数だけを追うと、営業がフォローしても商談化しないリードばかりが積み上がり、かえって現場が疲弊してしまいます。
リード獲得は、それ単体で完結する活動ではありません。マーケティングの全体像の中では、次の3つのプロセスの入り口に位置します。
つまり、リード獲得のゴールは「連絡先を集めること」ではなく「商談・受注につながる見込み客の母集団を作ること」です。この前提を持っておくと、後述する施策選びやKPI設計の精度が大きく変わります。
BtoB(法人向け)とBtoC(個人向け)では、リード獲得の力点が異なります。
本記事では主にBtoBを想定しつつ、BtoCにも応用できる形で解説していきます。

リード獲得の方法は、大きく「オンライン施策」と「オフライン施策」に分かれます。ここでは代表的な15の方法を、特徴とともに紹介します。
1. SEO・オウンドメディア
自社サイトやブログで見込み客の悩みに答える記事を発信し、検索エンジン経由で集客する方法です。成果が出るまで数カ月かかる一方、一度上位表示されれば広告費ゼロで継続的にリードを生み出す「資産型」の施策です。
記事内に資料ダウンロードや無料相談の導線を設けてリード化します。
2. Web広告(リスティング・ディスプレイ)
検索結果やWebサイト上に広告を出稿する方法です。出稿したその日から見込み客にリーチできる即効性が最大の強みですが、費用を止めるとリードも止まる「フロー型」の施策であり、近年はクリック単価の高騰が課題になっています。
3. SNS運用・SNS広告
X(旧Twitter)、Instagram、LinkedInなどで情報発信し、認知からリード獲得につなげる方法です。BtoBでも決裁者・担当者への接触チャネルとして存在感が増しています。
Facebook・Meta広告の「リード獲得広告」のように、フォーム入力までSNS内で完結する形式もあります。
4. 動画・YouTube活用
サービス解説や課題解決ノウハウを動画で発信し、概要欄や動画内から資料請求・問い合わせへ誘導する方法です。
テキストより情報量が多く信頼を得やすいうえ、YouTubeは「検索エンジン」として機能するため、SEOと同じく資産型のリード獲得チャネルになります。詳しくは後半の章で深掘りします。
5. ウェビナー(オンラインセミナー)
オンラインで開催するセミナーです。申し込み時点で氏名・メールアドレスなどを取得でき、参加者は課題意識が明確なため、比較的質の高いリードを獲得できます。
開催後のアーカイブ配信で二次活用もできます。
6. ホワイトペーパー・資料ダウンロード
ノウハウ資料や調査レポートを自社サイトに設置し、ダウンロードと引き換えに連絡先を取得する方法です。オウンドメディアや広告と組み合わせることで、記事を読んだ「ついで」にリード化できる定番の受け皿です。
7. メールマーケティング
既存の名刺やハウスリストに対してメルマガやステップメールを配信し、休眠リードを掘り起こす方法です。新規獲得というより「保有リストの再活性化」に強く、低コストで実行できます。
8. プレスリリース
新サービスや調査結果をメディアに向けて発信する方法です。メディア掲載されれば、広告費をかけずに認知とサイト流入を獲得できます。
9. 比較サイト・外部メディア掲載
業界の比較サイトやポータルサイトに自社サービスを掲載する方法です。「比較検討中」の顕在層に接触できるためリードの質は高めですが、1件あたりの送客費用は高くなる傾向があります。
10. 展示会・イベント出展
業界の展示会に出展し、来場者と名刺交換する方法です。数日で数百件規模の名刺を獲得できる一方、出展費用が高額で、獲得したリードの温度感には幅があります。
展示会の成果は「会期後のフォロー速度」で決まると言われるほど、獲得後の対応が重要です。
11. セミナー(オフライン開催)
自社主催のリアルセミナーです。対面ならではの信頼構築ができ、講師と参加者の距離が近いため商談化率が高い傾向があります。
12. テレアポ(電話営業)
ターゲットリストに電話をかけてアポイントを獲得する方法です。こちらから能動的に接点を作れる反面、接続率の低下や現場負荷の高さが課題です。
13. ダイレクトメール(DM)
ターゲット企業に郵送物を送る方法です。デジタル施策が飽和するなか、開封率の高さが再評価されています。
14. 交流会・紹介(リファラル)
経営者交流会や既存顧客からの紹介でリードを得る方法です。信頼が担保された状態で始まるため受注率は非常に高いものの、量のコントロールができない点が弱みです。
15. マス広告・タクシー広告
テレビCMやタクシー広告などで広く認知を取る方法です。費用規模が大きく、主に予算のある企業がブランド認知と併せて実施します。

施策を選ぶうえで避けて通れないのが費用の話です。ここでは代表的な施策の費用相場と、1件のリードを獲得するのにかかるコスト「リード獲得単価(CPL:Cost Per Lead)」の目安を整理します。
| 施策 | 費用相場 | CPLの目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| リスティング広告 | 月30万〜100万円 | 1万〜4万円 | 即効性が高いがフロー型 |
| SEO・オウンドメディア | 月10万〜50万円 | 中長期で数千円〜 | 資産型・立ち上げに時間 |
| SNS広告 | 月10万〜50万円 | 5千〜3万円 | ターゲティング精度が高い |
| 動画・YouTube運用 | 月10万〜80万円 | 中長期で数千円〜 | 資産型・信頼構築に強い |
| ウェビナー | 1回10万〜50万円 | 3千〜1万円 | 質の高いリードを獲得 |
| ホワイトペーパー | 制作5万〜30万円 | 3千〜1万5千円 | 他施策の受け皿になる |
| 展示会出展 | 1回50万〜300万円 | 5千〜1万5千円 | 短期間で大量獲得 |
| 比較サイト掲載 | 成果報酬中心 | 5千〜3万円 | 顕在層に強い |
※相場は業界・商材・競合状況によって大きく変動します。あくまで目安としてご覧ください。
CPLは次の式で求めます。
CPL = 施策にかけた費用 ÷ 獲得リード数
たとえば月50万円のWeb広告で25件のリードを獲得したら、CPLは2万円です。ただしCPLの安さだけで施策の良し悪しを判断するのは危険です。
本当に見るべきは、CPLの先にある商談化率・受注率まで含めた「1受注あたりの獲得コスト(CPA)」です。CPLが5千円でも商談化率1%なら、1商談あたり50万円かかっている計算になります。
逆にCPLが2万円でも商談化率20%なら、1商談あたり10万円です。
「リードは増えたのに売上が変わらない」という場合、たいていはこの視点が抜けています。施策ごとにリードの質が異なることを前提に、受注から逆算して費用対効果を評価しましょう。

15の方法を全部やる必要はありませんし、やるべきでもありません。リソースが分散して、どれも中途半端になるのが典型的な失敗パターンです。
ここでは自社に合う施策を絞り込む4つのステップを紹介します。
まず「誰のリードが欲しいのか」を具体化します。業種・企業規模・部署・役職・抱えている課題まで解像度を上げると、そのターゲットが普段どこで情報収集しているか(検索か、SNSか、展示会か)が見え、選ぶべきチャネルが自然に絞られます。
同じターゲットでも、検討フェーズによって有効な施策は変わります。
判断の目安はシンプルで、自社の商材が「検索されているなら検索起点、まだ検索されていないなら出会い起点」から始めることです。検索ボリュームを調べれば、この判定は誰でもできます。
リード獲得施策は、効果の出方で2種類に分けられます。
| タイプ | 施策例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 即効型(フロー型) | Web広告・テレアポ・展示会 | すぐ効くが、やめると止まる |
| 資産型(ストック型) | SEO・YouTube・ホワイトペーパー | 立ち上げに時間、後から効き続ける |
即効型だけに依存すると、広告費の高騰とともにCPLが上がり続け、費用を止めた瞬間にリードがゼロになります。短期は即効型で数字を作りながら、並行して資産型を育てる「二刀流」が、中長期のリード獲得コストを下げる王道です。
最後に、目標を数値化します。最低限、次の3つは押さえましょう。
この3点を施策別に記録するだけで、「どの施策のリードが売上に貢献しているか」が可視化され、予算配分の判断が感覚から数字に変わります。

ここからは、施策一覧の中でも近年特に注目度が高い「動画・YouTube」でのリード獲得を深掘りします。広告費の高騰や情報発信の飽和が進むなか、多くの企業が次の一手として動画に取り組み始めています。
理由は大きく3つあります。
1. YouTubeが「検索エンジン」として使われている
いまやユーザーは「調べもの」をGoogleだけでなくYouTubeでも行います。「〇〇 やり方」「〇〇 比較」といった検索キーワードに動画で答えられれば、悩みが明確な見込み客と直接接点を持てます。
しかも企業の本格参入がまだ少ないYouTube内の検索は、Web記事のSEOに比べて競合が薄いのが実情です。
2. 一度作った動画が「資産」として働き続ける
広告と違い、公開した動画は削除しない限り検索やおすすめ経由で再生され続けます。過去に投稿した動画が、半年後・1年後も問い合わせを運んでくる——これが資産型チャネルとしての動画の最大の価値です。
3. テキストの数倍の情報量で「信頼」を作れる
BtoBの検討では「この会社に任せて大丈夫か」という不安の解消が受注の鍵です。動画は表情・声・実際の作業風景まで伝えられるため、記事を読むだけの相手よりも深い信頼関係を作った状態で商談に入れます。
営業現場で「動画を見て決めていたので話が早い」という現象が起きるのはこのためです。
一方で、「動画を出しているのに問い合わせが増えない」という相談も非常に多くあります。原因のほとんどは動画のクオリティではなく、「入口(視聴者の興味)」と「出口(問い合わせ)」のズレを埋める導線設計の欠如です。
設計の基本はシンプルです。
重要なのは、最初から複雑なファネルを作り込まないことです。まずは「集客動画→LP→問い合わせ」というシンプルな動線で回し、データを見ながらズレた部分だけを補強していく方が、工数もコストも抑えられ、結果的に成果も出やすくなります。
動画活用を始める際、多くの企業が迷うのが内製と外注の選択です。判断軸を整理します。
| 観点 | 内製が向くケース | 外注(運用代行)が向くケース |
|---|---|---|
| リソース | 企画・撮影・編集に人員を割ける | 担当者が他業務と兼務 |
| ノウハウ | SNS・動画の運用経験者がいる | 何から始めるべきか分からない |
| スピード | 学びながら長期で育てたい | 早く成果の型を作りたい |
| コスト | 人件費として吸収できる | 月額固定で専門チームを使いたい |
現実的には、「立ち上げ期は外部の専門家と型を作り、軌道に乗ったら内製化する」というハイブリッドが最も失敗が少ない選択です。
最初の設計(キーワード選定・チャンネル設計・導線設計)を誤ると、数十本投稿してもリードにつながらないため、初期こそ経験値の差が出ます。

施策を選んだあと、成果を最大化するために押さえるべきポイントを5つ紹介します。
リードの約9割は「今すぐ客」ではありません。獲得した瞬間に売り込むのではなく、メルマガ・ウェビナー・お役立ち資料で関係を育て、検討タイミングが来たときに一番に想起される状態を作りましょう。
「獲得→放置」をなくすだけで、同じリード数でも商談数は大きく変わります。
せっかく興味を持った見込み客も、入力項目が多すぎるフォームで離脱します。フォームは必要最小限(社名・氏名・メールアドレス程度)に絞り、LPでは「申し込まない理由(不安・疑問)」を先回りして潰すのが鉄則です。
問い合わせや資料請求への対応は、早ければ早いほど商談化率が上がります。特にWeb経由のリードは複数社を同時に比較しているため、当日中、できれば1時間以内の一次対応を目指しましょう。
リードが月数十件を超えてきたら、スプレッドシート管理には限界が来ます。MA(マーケティングオートメーション)やCRMを使えば、リードの行動履歴やスコアリングに基づいて、優先すべきリードを自動で可視化できます。
「どの施策から来たリードが、どれだけ商談・受注になったか」を月次で振り返り、伸びている施策に予算を寄せます。リード獲得は一発勝負ではなく、計測と改善を繰り返す運用ゲームです。
最後に、多くの企業がつまずくポイントを3つ挙げます。事前に知っておくだけで回避できるものばかりです。
件数目標だけを追うと、プレゼント施策などで質の低いリードが大量に集まり、営業のフォロー工数だけが増える事態になりがちです。必ず商談化率・受注率までをセットで評価しましょう。
広告もSNSもブログも動画も……と同時に始めると、リソースが分散してすべてが「効果が出る前」に止まります。まずは自社のターゲットとフェーズに合った1〜2施策に集中し、成果の型ができてから横展開するのが定石です。
広告やテレアポなど即効型だけに頼ると、競争激化とともにCPLが上がり続け、利益を圧迫します。前述のとおり、SEOや動画などの資産型施策を早い段階から並行して育てておくことが、1〜2年後のコスト構造を大きく左右します。
自社の商品・サービスを将来購入する可能性のある見込み客(リード)の連絡先や接点を獲得する活動のことです。「リードジェネレーション」とも呼ばれ、資料請求・問い合わせ・名刺交換・メルマガ登録などが代表的な獲得の形です。
「見込み客」を指すマーケティング・営業用語です。まだ顧客ではないものの、将来顧客になる可能性がある個人・企業を意味します。
検討度合いによってホットリード・コールドリードなどと呼び分けられます。
BtoBは検討期間が長く関係者も多いため、リードの「量」より「質」と「獲得後の育成」が成果を左右します。展示会・ウェビナー・SEO・動画など複数接点を持ちつつ、MAツールなどで検討度を見極めて営業に引き渡す設計が重要です。
FacebookやInstagram、LINEなどのSNS上で、外部サイトに遷移せずにフォーム入力まで完結できる広告形式です。
入力の手間が少ないためコンバージョン率が高い一方、手軽さゆえに温度感の低いリードも混ざりやすく、獲得後のフォロー設計がより重要になります。
広告運用・SEO・動画運用・テレアポなどのリード獲得活動を、専門会社が企業に代わって実行するサービスです。
社内にノウハウや人員がない場合でも早く成果の型を作れるのがメリットで、費用は施策内容により月額10万〜100万円程度が目安です。将来的な内製化を見据えて、ノウハウ移管まで支援してくれる会社を選ぶと長期のコストを抑えられます。
リード獲得の方法は15種類以上ありますが、成果を出す企業がやっていることは共通しています。ターゲットと検討フェーズを見極めて施策を絞り、即効型で短期の数字を作りながら、SEOや動画といった資産型チャネルを育てる。
そして獲得したリードを放置せず、育成して商談につなげる——この一連の設計です。
特にこれからの数年は、広告費の高騰を背景に、動画・YouTubeを軸にした資産型のリード獲得が中小企業にとって大きな逆転のチャンスになります。
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ここまで読んだ方は、次に以下の記事も確認すると、施策の設計から改善までつながりで理解しやすくなります。