2026.07.13

採用動画の成功事例20選|応募につながる作り方・費用・企画を徹底解説

採用動画の撮影現場でインタビューを受ける女性社員とカメラクルー

「求人媒体に費用をかけても応募が集まらない」「文章と写真だけでは自社の魅力が伝わらない」「内定を出しても辞退される」——こうした採用の悩みを抱える企業のあいだで、いま急速に広がっているのが採用動画です。

採用動画は、大企業だけのものではありません。

求職者を対象とした調査では、約9割が「採用動画はあったほうがよい」と答え、視聴後に志望度が上がったという回答も約7割にのぼります(パーソルビジネスプロセスデザインのコラムが引用する株式会社プルークスの調査)。

動画は、テキストの求人票では伝わらない「社風」「人」「働く雰囲気」を短時間で伝えられるため、知名度の高くない中小企業でも「この会社で働きたい」という質の高い応募を集める武器になります。

一方で、「事例を真似て作ったのに応募が増えない」「何を作ればいいか分からない」「費用が読めない」「内製と外注どちらがよいのか」と迷う担当者も少なくありません。

そこでこの記事では、実在する企業・自治体の採用動画の成功事例20選をタイプ別に整理したうえで、応募につながる作り方・費用相場・企画の立て方・効果測定・内製と外注の判断軸まで、実務でそのまま使う形で徹底解説します。

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7 採用動画の成功事例20選|実在する企業・自治体の勝ちパターン

この記事でわかること

  • 採用動画の定義と、「求人動画」「採用サイト動画」との違い
  • データで見る採用動画の効果と、注目される背景
  • 採用動画の7つのメリットと、見落としがちなデメリット
  • タイプ別の採用動画の種類と、目的別の選び方(早見表つき)
  • 実在する企業・自治体の採用動画の成功事例20選(公式動画・公式ページで確認できるもの)
  • 応募につながる採用動画の作り方7ステップ
  • 採用の5P・ペルソナ設計をもとにした企画の立て方
  • 採用動画の費用・相場(タイプ別料金の目安)
  • YouTube/TikTok/Instagramを横断したプラットフォーム戦略
  • 視聴KPIと採用KPIをつなぐ効果測定の方法
  • よくある失敗と回避策、内製と外注の判断軸

採用動画とは?「求人動画」「採用サイト動画」との違い

採用動画の種類ごとの配置を検討する人事担当者たちの打ち合わせ風景

採用動画とは、企業が採用活動のために制作・活用する動画コンテンツの総称で、事業内容・社風・働く人・仕事のリアルを映像で伝え、応募や志望度アップにつなげることを目的とします。

似た言葉に「求人動画」「採用サイト動画」「採用ムービー」がありますが、実務上の使い分けは次のように整理できます。

呼び方主な役割置き場所の例
採用動画(広義)採用活動全般で使う動画の総称採用サイト/SNS/説明会/スカウト
求人動画特定ポジションの募集告知に近い求人媒体/Indeed・求人ページ
採用サイト動画(コンセプトムービー)採用サイトのトップで世界観・志望度を高める採用サイトのファーストビュー
採用ムービー会社説明会・イベントで流す紹介映像合同説明会/会社説明会

重要なのは、名前の違いより「誰に・どの段階で・何を伝えるか」です。同じ社員インタビューでも、母集団形成のためにSNSで拡散するのか、選考中の候補者の不安を解消するために採用サイトに置くのかで、尺・構成・訴求は変わります。

この記事では、これらをまとめて「採用動画」として扱い、目的別に最適な型を解説していきます。

なぜいま採用動画なのか

背景には、採用市場の3つの変化があります。

  1. 求職者の情報収集が「動画ファースト」に変化した:Z世代を中心に、企業研究の段階でYouTubeやSNSの動画を参照するのが当たり前になりました。
  2. 売り手市場で「選ばれる」努力が必要になった:求人票を並べるだけでは埋もれます。企業側から「働く実像」を見せる情報開示が求められています。
  3. ミスマッチ由来の早期離職を防ぎたい:入社後の「思っていたのと違う」を減らすため、事前に等身大の情報を届ける手段として動画が有効です。

データで見る採用動画の効果

自宅でノートパソコンの採用動画を熱心に視聴する求職者の若い女性

**採用動画の効果は感覚論ではなく、複数の調査データで裏づけられています。「志望度が上がる」「見たいコンテンツが明確」「見られる場所が広い」という3点を押さえておくと、社内で投資判断を通しやすくなります。

**

採用支援各社が公表している調査データを整理すると、次のような傾向が見られます(数値は各社が公表している一般調査に基づく参考値です)。

指標数値の目安示唆
「採用動画はあったほうがよい」と回答約9割ほぼ前提として求められている
視聴後に志望度が上がった約7割動画は志望度アップに直結しやすい
選考参加・内定承諾の決め手になった約4割CV(応募・承諾)に効く
若年層ほど動画で企業研究する傾向高い傾向Z世代ほど動画への依存が強い

出典:パーソルビジネスプロセスデザイン「採用動画に期待する5つの効果」(プルークス調査を引用)moovy「採用動画のカッコいい制作事例」

さらに、求職者が「見たい」と答える動画コンテンツにも傾向があります。

見たいコンテンツ回答割合の目安
事業説明約54%
従業員インタビュー約50%
従業員の1日の流れ約50%
職種紹介約46%
会社紹介約29%

視聴される場所は、会社説明会(約74%)、企業のホームページ/採用サイト(約69%)、企業のYouTube(約56%)が中心です。

つまり「作って終わり」ではなく、候補者が見る場所に確実に届ける導線設計まで含めて初めて効果が出るということです。この点は本記事後半のプラットフォーム戦略で詳しく扱います。

採用動画の7つのメリット

オフィスで自然に会話する社員たちをカメラで撮影する様子

採用動画のメリットは、「伝わる量が増える」「ミスマッチが減る」「工数が減る」の3系統に集約できます。ここでは実務で説明に使える7つに分解します。

  1. 記憶に残りやすい:文字情報に比べ、映像・音・表情がのった動画は記憶への定着率が高く、複数社を比較検討する候補者の中で想起されやすくなります。
  2. 社風・人・雰囲気という「非言語情報」が伝わる:求人票では書ききれないオフィスの空気、社員同士の関係性、働くテンポが伝わります。求職者が最も知りたい「社風・人」を届けられるのが最大の価値です。
  3. 入社後のミスマッチを防げる:等身大の1日や現場のリアルを見せることで、期待値のずれによる早期離職を減らせます。
  4. 自社の強みを明確に言語化・映像化できる:制作過程で「自社の魅力とは何か」を棚卸しすること自体が、採用ブランディングの整理につながります。
  5. 採用担当者の説明工数を削減できる:会社説明会や面談で毎回口頭説明していた内容を動画に集約でき、担当者の負担を軽減できます。
  6. 短時間で多くの情報を届けられる:1分の動画は大量のテキストに相当する情報量を伝えられ、忙しい候補者にも見てもらいやすくなります。
  7. 認知拡大・母集団形成につながる:SNSやYouTubeで拡散されれば、これまで接点のなかった潜在層にリーチでき、母集団の質と量の両方を底上げできます。

採用動画のデメリット・注意点

手ブレした映像を確認しながら予算資料を見て困惑するマーケティング担当者

採用動画には明確なデメリットもあります。「作る前に知っておけば防げる」ものばかりなので、投資判断の前に必ず確認しておきましょう。

  • 制作コスト・工数がかかる:外注なら数十万〜数百万円、内製でも企画・撮影・編集の工数が発生します。目的が曖昧なまま作ると費用対効果が読めません。
  • 効果が出るまで時間がかかる場合がある:公開してすぐ応募が急増するわけではなく、導線設計と改善の積み重ねが前提です。
  • 情報が古くなる・出演者が離職するリスク:制度変更や社員の異動・退職で、動画が「使えなくなる」ことがあります。特定個人に依存しすぎない構成が無難です。
  • 作っただけでは見られない:採用サイトに埋めただけでは再生されません。SNS配信やスカウト添付など、届ける仕組みが必要です。
  • クオリティが低いと逆効果:手ブレ・音声の聞き取りづらさ・不自然な演出は、かえって企業イメージを損ないます。

これらの多くは、目的とKPIを先に決め、届ける導線とセットで設計することで回避できます。

採用動画の種類(タイプ別・目的別早見表)

採用動画のさまざまな企画写真をコルクボードに並べて比較するクリエイティブディレクター

採用動画には定番の型があり、「採用ファネルのどの段階を動かしたいか」で選ぶと失敗しません。まずは全体像を早見表で把握しましょう。

動画タイプ主に効く段階伝わること尺の目安
コンセプトムービー(ブランドムービー)認知・興味世界観・理念・「らしさ」60〜120秒
会社紹介/事業紹介認知・興味事業内容・規模・将来性90〜180秒
社員インタビュー志望度・不安解消人・キャリア観・やりがい2〜4分
1日密着(ルーティン)志望度・不安解消働くリアル・1日の流れ2〜5分
座談会・クロストーク志望度・不安解消人間関係・チームの空気3〜6分
社長・経営者メッセージ志望度・共感ビジョン・本気度60〜180秒
職種・仕事紹介志望度・応募具体的な業務内容・スキル90秒〜3分
ショート/縦型動画認知・拡散一瞬で惹きつけるフック15〜60秒
ドラマ/ストーリー仕立て認知・共感感情移入・話題性2〜5分
ドキュメンタリー志望度・共感プロジェクトの裏側・熱量3〜7分
アニメーション認知・説明抽象概念・数字・仕組み60〜120秒
採用ピッチ(データ提示型)志望度・比較事業性・待遇・成長性の根拠3〜10分

尺については、若年層向けSNSでは1分前後(30秒〜60秒)、採用サイトや説明会で使うインタビュー・密着は3分未満を制作時の仮説として設定すると検証しやすくなります。

ただし、最適な尺は媒体・企画・視聴者によって変わるため、完視聴率と応募導線への遷移率を見ながら調整してください。

採用動画の成功事例20選|実在する企業・自治体の勝ちパターン

複数のモニターに様々な業種の採用動画を映し出す映像制作スタジオ

**成功する採用動画には共通の「型」があります。ここでは、実在する企業・自治体が公式に公開している採用動画から20事例を厳選し、どの型に当たるか・どんな企業に向くか・自社が真似できるポイントをセットで解説します。

各事例は公式YouTube・公式サイト・自治体ページで確認できます。再生数などの数値は、公式発表があるものだけを根拠として記載しています。

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事例は「自社が真似できる型」として読むのが最も効果的です。演出そのものより「何を・誰に見せ、どの型を使っているか」に注目して整理しました。効果は企業の状況・市場によって異なるため、数値は保証ではなく傾向として捉えてください。

成功する採用動画に共通する3つの原則

20事例を紹介する前に、応募につながる採用動画に共通する原則を押さえておきましょう。この3点を満たしているかが、型を選ぶ前のチェックポイントになります。

  • 等身大であること:作り込まれた演出より、現場社員の飾らない言葉のほうが信頼されます。求職者が最も見たいのは「現場の若手社員のリアル」です。
  • 1本=1メッセージであること:あれもこれもと詰め込んだ動画は記憶に残りません。伸びている動画は、伝えたいことを1つに絞り込んでいます。
  • 応募への導線があること:どれだけ良い動画でも、次の行動(エントリー・応募)への案内がなければ成果になりません。最後の一言まで設計されています。

この3原則を土台に、前掲の「種類(タイプ別早見表)」を参照しながら、次の20事例から自社に合う型を選んでいきましょう。

1. 佐川急便「#変わりながら、進め。」|コンセプトムービー型

新卒採用ブランドムービーとして、物流の現場で働く社員の姿と「変わりながら、進む」というメッセージを重ねた作品です。事業スケールと変化を続ける企業姿勢を短時間で印象づけています。

向く企業:事業規模・社会インフラ性が魅力の企業。真似できる点:職種の細かい説明より「働く意味・会社の方向性」を1本のコンセプトに絞ること。

出典:佐川急便 新卒採用動画「#変わりながら、進め。」(公式YouTube)

2. 楽天グループ「DEAR NEXT GENERATION」|理念・ビジョン訴求型

次世代へのメッセージという切り口で、企業の存在意義とグローバルな挑戦を映像とコピーで凝縮した新卒採用コンセプトムービーです。向く企業:ビジョンやスケール感で共感を集めたい企業。

真似できる点:候補者を「一緒に未来をつくる仲間」として描き、SNS拡散を前提に短くまとめること。出典:楽天 新卒採用コンセプトムービー「DEAR NEXT GENERATION」(公式YouTube)

3. デロイト トーマツ「きのうのじぶんを超えていく、じぶんへ。」|世界観・ブランディング型

ロールモデルを追うのではなく「昨日の自分を超える」という個の成長にフォーカスした採用ブランドムービーです。映像美とコピーで「憧れ」と「自分ごと化」を両立させています。

向く企業:ブランドイメージが採用競争力になる企業。真似できる点:かっこよさを目的化せず、必ず「働くうえでの価値観」に接続すること。

出典:デロイト トーマツ 採用ブランドムービー(公式YouTube)

4. 住友林業「3年目の面接」100秒ムービー|社員インタビュー型

入社3年目の社員が実務やキャリアを語る、100秒に凝縮した社員インタビューです。冒頭で「3年目の社員が現場のリアルを話す」と示すことで、スクロールされやすい環境でも最後まで見てもらいやすい構成になっています。

向く企業:ほぼすべての企業。真似できる点:役員より先に、等身大の若手・中堅を出し、冒頭に「見どころの一言」を置くこと。

出典:住友林業「3年目の面接」新卒採用100秒ムービー(公式YouTube)

5. サイバーエージェント新卒採用チャンネル|チャンネル運用・職種紹介型

単発の動画ではなく、職種紹介・社員の1日密着・オフィスツアー・内定者座談会・ショートを継続発信し、認知から理解までをチャンネル内で完結させる運用型です。向く企業:継続的に採用広報へ投資できる企業。

真似できる点:1本で完結させず、複数の型を組み合わせて「知る→わかる」の導線をチャンネルに設計すること。出典:サイバーエージェント新卒採用(公式YouTubeチャンネル)

6. LINEヤフー 社員ショートインタビュー|社員インタビュー×ショート型

さまざまな領域で働く社員へのショートインタビューを、縦型・短尺で継続的に発信しています。1本1テーマで、忙しい候補者にも見てもらいやすいのが特徴です。

向く企業:多職種を抱え、認知接点を増やしたい企業。真似できる点:長尺インタビューを撮ったら、1テーマずつショートに切り出して接触回数を稼ぐこと。

出典:LINEヤフー株式会社(公式YouTube)LINEヤフー採用(note)

7. ニトリ 新卒採用「社員の1日密着MOVIE」|1日密着(ルーティン)型

社員の出社から退社までを追い、店舗・本部などの仕事のリアルを見せる密着シリーズです。「働くイメージが湧きにくい」という不安に直接応えています。

向く企業:仕事内容が想像しづらい業種、配属先が多岐にわたる企業。真似できる点:華やかな場面だけでなく地味な業務も入れ、1日を通した流れで見せること。

出典:ニトリ新卒採用「社員の1日密着MOVIE」(公式YouTubeプレイリスト)ニトリ新卒採用サイト

8. メルカリ「新卒オンボーディングに密着」|内定者・入社後リアル型

新卒入社後の研修・立ち上がり(オンボーディング)に密着し、「入社直後に何が待っているか」を見せる動画です。内定者・入社前の候補者の不安を先回りで解消します。

向く企業:内定辞退や入社前の不安を減らしたい企業。真似できる点:選考中〜内定後に個別で届け、「入社後の景色」を具体的に見せること。

出典:メルカリ 新卒オンボーディング密着(公式YouTube)Mercari Careers

9. 三和交通「踊るタクシーおじさん」(TikTok)|ショート・縦型フック/面白い・親近感型

取締役本部長(みぞ部長)が踊る縦型ショートがTikTokで数百万再生規模の反響を呼び、タクシー業界の固いイメージを刷新しました。同社は取材で、応募者の母集団が広がり年齢層も下がったと語っています。

向く企業:知名度が低く、まず若年層に覚えてもらいたい企業。真似できる点:完成度より「冒頭数秒の掴み」と投稿本数。

役員自身が楽しんで発信すること。出典:三和交通 公式TikTok(@sanwakotsu)みぞ部長特集(採用公式サイト)

10. 大阪府警察 採用ムービー|職種・仕事紹介型

「警備警察」「生活安全警察」など部門ごとに仕事内容を紹介し、志望する分野を具体的にイメージできる職種紹介シリーズです。向く企業:職種・配属先が多く、どこで働くかを見せたい組織。

真似できる点:職種ごとに動画を分け、志望者が自分の入り口を選べるようにすること。出典:大阪府警察 採用ムービー【生活安全警察】(公式YouTube)大阪府警察のYouTube案内(公式サイト)

11. 岡山県警察「#あなたのPスイッチは何ですか」|ドラマ・ストーリー/話題化型

「Pスイッチ(警察官になるきっかけ)」という切り口で、感情に訴えるストーリー仕立ての採用募集動画です。SNSでの話題化を狙った企画性が特徴です。

向く企業:認知が課題で、話題化で接触を増やしたい組織。真似できる点:エンタメ性で惹きつけつつ、最後に必ず募集・応募への導線を置くこと。

出典:岡山県警「#あなたのPスイッチは何ですか」(公式YouTube)

12. 自衛官募集「国家を守る、公務員。」「自衛隊のソレ、誤解ですから」|Q&A・不安解消型

現役自衛官のプライベートと職場のギャップや、世間の「誤解」を正面から扱い、応募前の不安・先入観を解消するWeb動画です。向く企業:業界イメージや誤解が応募のハードルになっている組織。

真似できる点:「聞きにくい疑問・よくある誤解」ほど正面から答え、応募の心理的ハードルを下げること。出典:自衛官募集Web動画「国家を守る、公務員。」ほか(自衛官募集チャンネル)

13. 戸田建設「世にもおかしな建築物(食べられる建物)」|ドラマ・ストーリー/イメージ刷新型

「食べられる建物をつくる」というユニークな設定のもと、実際の建設プロセス(強度試験など)を社員が演じるPR動画です。建設業への固定イメージを、遊び心で塗り替えています。

向く企業:業界イメージを変えて若年層の興味を引きたい企業。真似できる点:現実の仕事のプロセスを、企画性のあるストーリーに翻訳して見せること。

出典:戸田建設「世にもおかしな建築物」PROJECT(公式ニュース)

14. 川邊組「レッツ!ドボクサイズ」|現場・技術デモ/バズ型

土木工事を「筋肉を鍛える営み」と再定義し、エクササイズ動画のパロディで仕事の魅力を訴求した求人募集ムービーです。同社のプレスリリースでは、公開約2週間で目標としていた101,931回再生を達成したと発表されています。

向く企業:担い手不足の現場職・専門職で認知を広げたい企業。真似できる点:仕事の本質を1つのユニークな切り口に凝縮し、目標値(KPI)を決めて公開すること。

出典:川邊組「レッツ!ドボクサイズ!」(公式YouTube)株式会社川邊組のプレスリリース(PR TIMES)

15. サイボウズ ワークスタイルムービー「大丈夫」・アニメ「アリキリ」|福利厚生・働き方訴求/ドラマ・アニメ型

働き方や育児との両立という「働く環境」をテーマに、ドラマやアニメーションで描くシリーズです。制度の羅列ではなく、実際の生活シーンで働きやすさを伝えています。

向く企業:働きやすさ・多様な働き方が差別化になる企業。真似できる点:制度を一覧で見せるより、「制度を使う人の物語」で見せること。

出典:サイボウズ ワークスタイルムービー「大丈夫」(公式YouTube)サイボウズ ワークスタイルアニメ「アリキリ」(公式YouTube)

16. ソニーミュージックグループ 新卒採用 オープニングムービー|アニメーション型

多岐にわたる事業領域を、アニメーションで分かりやすく・楽しく見せる新卒採用のオープニングムービーです。実写では説明しにくい抽象的な事業構造を図解的に伝えます。

向く企業:事業が複雑・無形で、実写では伝わりにくい企業。真似できる点:出演者に依存しないため長く使え、事業変更にも差し替えで対応しやすい点を活かすこと。

出典:ソニーミュージックグループ新卒採用 オープニングムービー(公式YouTube)

17. Sansan「Short Documentary of Sansan」|ドキュメンタリー型

ミッションの実現に挑む社員の姿を、演出を抑えて記録するショートドキュメンタリーです。プロダクトを前面に出さず「人と挑戦」で企業を語る設計になっています。

向く企業:仕事の熱量・挑戦のプロセスが魅力の企業。真似できる点:成功だけでなく葛藤や試行錯誤も見せ、「本物感」で質の高い候補者に刺すこと。

出典:Short Documentary of Sansan(公式YouTube)プロダクトが登場しないコーポレート動画をつくった理由(Sansan公式メディア)

18. 星野リゾート 採用サイト・公式チャンネル|オフィス・職場環境/ブランド型

各施設の世界観や働く環境を、映像とビジュアルで統一的に発信しています。「どんな場所で・どんな人と働くか」をブランドとして見せる設計です。

向く企業:職場環境・世界観そのものが採用の魅力になる企業。真似できる点:スペックの羅列でなく「その場所で人がどう過ごしているか」まで映すこと。

出典:星野リゾート 採用サイト(公式)星野リゾート公式YouTubeチャンネル

19. 日本マクドナルド クルー募集「クルーの仕事/職場」|アルバイト・現場デモ型

実際のクルーの仕事内容・職場の雰囲気を見せ、「働きやすさ」と「仕事のリアル」を両立して伝えるアルバイト採用コンテンツです。向く企業:アルバイト・パートの母集団形成が課題の企業。

真似できる点:まず「働きやすさ」と「職場の雰囲気」を短く見せ、応募の不安を取り除くこと。出典:日本マクドナルド「クルーの仕事/職場」(公式採用ページ)

20. 北九州市「そうだ、北九州で働こう。」・新規採用職員の初出勤密着|自治体・ドキュメンタリー/1日密着型

「そうだ、北九州で働こう。」というPR動画に加え、新規採用職員の初出勤に密着した動画などを公式チャンネルで発信し、公務員の働くリアルを見せています。向く企業・団体:自治体・公的機関など、堅い印象を等身大に変えたい組織。

真似できる点:入庁・入社直後の一日を密着で見せ、志望者が自分を重ねられるようにすること。出典:北九州市「そうだ、北九州で働こう。」(公式サイト)北九州市職員募集(公式YouTube)

これら20事例も、単独で使うより、認知(拡散・話題化)→ 興味(ブランド・世界観)→ 志望度・不安解消(インタビュー・密着・Q&A)→ 応募(職種紹介・アルバイト現場)のように、採用ファネルの段階に沿って複数を組み合わせるのが成功パターンです。

どの型がどの段階に効くかは、前掲の「種類(タイプ別早見表)」と照らし合わせて選びましょう。

業種別|採用動画の選び方と相性のよい型

工場・IT・介護・建設など異なる業種で働く人々が並ぶ様子

同じ採用動画でも、業種によって「候補者が本当に見たいもの」は異なります。求職者の不安の中身が業種で変わるため、その不安に答える型を選ぶことが応募への近道です。

業種別に、候補者が抱きやすい不安と、相性のよい採用動画の型を整理します。

業種候補者が抱きやすい不安相性のよい型
製造・工場仕事内容が想像できない/危険では現場・技術デモ型、1日密着型
建設・施工管理きつい/古い体質では若手成長ストーリー型、ドキュメンタリー型
IT・Web技術力・カルチャーが合うか社員インタビュー型、採用ピッチ型
介護・福祉・保育人間関係・待遇・やりがい社員インタビュー型、Q&A・不安解消型
小売・飲食接客のリアル・働きやすさ1日密着型、面白い・親近感型
専門職(士業・医療等)キャリアパス・専門性職種紹介型、ドキュメンタリー型
ベンチャー・スタートアップ事業の将来性・裁量社長メッセージ型、採用ピッチ型

たとえば製造・現場職は「実際にどんな作業をするのか」が最大の不安要素です。求人票の抽象的な説明よりも、実際の作業や1日の流れを見せる動画のほうが、応募のハードルを大きく下げます。

反対にIT・Web職では、待遇よりも「開発カルチャーや使っている技術が自分に合うか」を重視する傾向があるため、社員が本音で語るインタビューやデータで事業性を示す採用ピッチが刺さります。

「自社の業種で、候補者は何を一番不安に思っているか」を1つ特定し、その不安に正面から答える型を軸に据えるのが、業種別の企画の基本です。

採用ターゲット別|刺さる訴求と動画タイプ

新卒・中途・アルバイトそれぞれの採用ターゲットを表す3人の人物

新卒・中途・アルバイトでは、応募に至る動機がまったく異なります。ターゲットを混ぜて1本にまとめると訴求がぼやけるため、動画はターゲット別に作り分けるのが原則です。

ターゲット重視すること刺さる訴求軸相性のよい型
新卒成長環境・人・安心感People/Philosophy若手成長ストーリー、座談会、内定者リアル
中途裁量・待遇・入社後のギャップProfession/Privilege中途キャリア訴求、採用ピッチ、Q&A
アルバイト・パート働きやすさ・シフト・人間関係Privilege/People1日密着、面白い・親近感型

新卒は「この会社で成長できそうか」「一緒に働く人は良さそうか」という感情面が決め手になりやすいため、等身大の先輩や同期の存在を見せると効果的です。

中途は即戦力として「入社後にどんな裁量とキャリアがあるか」を具体的に知りたいので、実際に転職してきた社員のビフォーアフターや、事業の数字を示す採用ピッチが有効です。

アルバイト・パートは、まず「働きやすさ」と「職場の雰囲気」が伝わる短い動画で不安を取り除くことが応募につながります。

応募につながる採用動画の作り方7ステップ

ストーリーボードと付箋を使って採用動画の企画を進めるチームの打ち合わせ

採用動画は「撮影・編集」より前の「目的設計」で成否の8割が決まります。次の7ステップの順番どおりに進めることで、事例を真似ても応募が増えない失敗を避けられます。

ステップ1:目的とKPIを決める

「認知を広げたい」のか「選考中の辞退を減らしたい」のかで、作る動画はまったく変わります。

まず採用ファネル(認知→興味→志望度→応募→内定承諾)のどこを動かすかを1つに絞り、KPIを決めます(例:採用サイトの動画視聴率、応募数、内定承諾率)。

ステップ2:ターゲット(採用ペルソナ)を定義する

新卒/中途/アルバイトで刺さる訴求は異なります。年齢・価値観・不安・情報収集チャネルまで具体化し、「その人が何を知れば応募するか」を言語化します。

ステップ3:伝えるメッセージを1つに絞る

盛り込みすぎは失敗のもとです。「この動画で最も伝えたいこと」を1つに決め、後述の採用の5Pから訴求軸を選びます。

ステップ4:動画タイプと尺・プラットフォームを決める

ステップ1〜3をもとに、前掲の早見表から型を選びます。同時に「どこで見せるか(採用サイト/YouTube/SNS/スカウト)」を決め、尺と縦横比を合わせます。

ステップ5:構成・台本を作る

冒頭数秒のフック→本編→締め(応募導線)の順で設計します。特に最後に「次に取ってほしい行動(応募・エントリー)」への導線を必ず入れます。

ステップ6:撮影・編集する

内製でもスマートフォンと三脚・ピンマイクがあれば十分なクオリティが出せます。優先すべきは映像美より「音声の聞き取りやすさ」と「テンポ」です。

ステップ7:公開・配信し、効果を測定して改善する

作って終わりにせず、決めた場所に配置し、KPIを計測します。数字を見て、フック・尺・配信先を改善するPDCA(計画・実行・評価・改善)を回します。

採用動画の構成テンプレート(台本例)

手書きメモが書き込まれた台本とカチンコが置かれたデスク

構成に迷ったら、型に当てはめるのが最速です。ここでは応募につながりやすい2つの定番構成を、そのまま使えるテンプレートとして紹介します。

社員インタビュー(2〜3分)の構成テンプレート

  1. 冒頭フック(0〜10秒):社員の印象的な一言や、意外な経歴を先出しする(例:「実は、まったくの未経験で入社しました」)
  2. 人物紹介(10〜30秒):氏名・部署・入社年次・担当業務を簡潔に
  3. 仕事内容(30秒〜1分半):具体的な1日の業務、やりがいを感じる瞬間
  4. 入社理由と入社後のギャップ(1分半〜2分半):なぜこの会社を選んだか、想像と実際の違い
  5. 候補者へのメッセージ+応募導線(2分半〜3分):どんな人と働きたいか、そして「エントリーはこちら」

ショート・縦型(30〜60秒)の構成テンプレート

  1. フック(0〜3秒):数字や意外性で一瞬で掴む(例:「入社2年目で任された仕事の1日」)
  2. 本編(3〜50秒):テンポよく1つのテーマだけを見せる(1日密着/制度の裏側/社員の本音など)
  3. 締め(50〜60秒):企業名と「プロフィールから応募できます」等の導線

いずれも共通するのは、冒頭で掴み、最後に必ず応募への一歩を提示するという骨格です。テンプレートに沿えば、企画会議の時間を大幅に短縮できます。

企画の立て方:採用の5Pとストーリー設計

ホワイトボードに5つの円を並べて説明する人事企画担当者

良い企画は「自社の何を、どの候補者の、どの不安に当てるか」を1枚で説明できます。採用の5Pというフレームを使うと、訴求軸の抜け漏れを防げます。

採用の5Pとは、候補者が企業を評価する5つの観点です。

観点内容動画での見せ方の例
Philosophy(理念)企業のビジョン・存在意義社長メッセージ/コンセプトムービー
Profession(仕事)仕事内容・専門性・やりがい職種紹介/現場デモ
People(人・組織)一緒に働く人・社風社員インタビュー/座談会
Privilege(待遇・環境)給与・制度・働き方福利厚生/1日密着
Product(事業・商品)事業内容・将来性事業紹介/採用ピッチ

自社の魅力と、ペルソナが重視する観点が重なる部分を訴求軸にします。たとえば「若手の裁量」を重視する候補者に対しては、People×Profession(若手社員が大きな仕事を任されている様子)を軸にする、という考え方です。

ストーリー設計では、「求職者の不安→その解消→応募後の未来」という流れを意識すると、感情が動きやすくなります。「残業が心配」という不安に対して、実際の退社風景や制度利用者の声で応える、といった具合です。

採用動画の費用・相場

採用動画の見積書を確認しながら打ち合わせをする担当者と制作会社スタッフ

採用動画の費用は「動画タイプ」と「制作方法(内製/外注)」で大きく変わります。相場感を押さえておくと、見積もりの妥当性を判断できます。

外注した場合の費用相場の目安は次のとおりです(各社が公表している相場に基づく参考値)。

動画タイプ費用相場の目安制作期間の目安
社員インタビュー(1〜2分)10〜30万円2週間〜1ヶ月
会社紹介・事業紹介30〜80万円1〜2ヶ月
コンセプトムービー(凝った演出)80〜200万円2〜3ヶ月
ショート・縦型(複数本パッケージ)数万円〜/本数日〜
アニメーション30〜100万円1〜2ヶ月

出典:パーソルビジネスプロセスデザイン

全体としては10万円〜200万円の幅があり、シンプルなインタビュー1本なら数十万円、ブランドムービーやドラマ仕立ての凝った演出になるほど高額になります。

費用を左右する主な要素は、撮影日数・出演者数・ロケ地・アニメーションやCGの有無・ナレーションやBGMの権利処理です。

内製の場合、機材費(数万円〜)と社内工数が中心になり、外部支出は抑えられます。ただし企画・撮影・編集のスキルと時間が必要で、「安く作れる=安く済む」とは限らない点に注意が必要です(内製・外注の判断は後述します)。

内製で撮影・編集するときの実務チェックリスト

内製に挑戦する場合、以下を押さえておくとクオリティを一定水準に保てます。高価な機材より、音声とテンポの安定が視聴維持率を左右します。

  • 機材:スマートフォンでも可。三脚(手ブレ防止)とピンマイク(聞き取りやすさ)は最優先で用意する
  • 音声:エアコンや周囲の雑音が入らない場所で撮影する。屋外は風対策を
  • 照明:逆光を避け、顔に自然光かリングライトを当てる
  • 構図:目線の高さにカメラを置き、背景に生活感・雑然さを出しすぎない
  • 話し方:出演者には結論から話してもらう。長い前置きは編集でカット
  • 編集:冒頭3秒に見どころを配置し、テロップで要点を補う。BGMは著作権フリー音源を使う
  • :SNS用は60秒以内、サイト用でも3分未満を意識する

内製で回すコツは、1本を作り込みすぎず、テンプレートに沿って本数を出すことです。反応の良かった型を見極め、そこに集中投資していくと、少ない工数で成果を伸ばせます。

プラットフォーム戦略:YouTube/TikTok/Instagramを横断で設計する

複数のスマートフォンで縦型動画を確認するSNS運用担当者

採用動画は「1本の完成品」ではなく「複数プラットフォームで役割分担するコンテンツ群」として設計すると、費用対効果が跳ね上がります。ここがRe.Questが最も重視する視点です。

前述のとおり、採用動画は視聴される場所が採用サイト・SNS・YouTube・説明会と分散しています。同じ素材でも、プラットフォームごとに求められる形は異なります。

プラットフォーム役割適した形式
YouTube資産化・じっくり訴求3〜5分の社員インタビュー・1日密着・採用ピッチ。検索でも見つかる
TikTok認知・母集団形成15〜60秒の縦型ショート。若年層への接触回数を稼ぐ
Instagram(リール/ストーリーズ)認知・雰囲気訴求縦型ショート+ストーリーズで日常の裏側を継続発信
採用サイト志望度・不安解消コンセプトムービー+職種別インタビューを整理して配置
スカウト/説明会個別の背中押し該当職種・内定者向けの動画をピンポイントで添付

効率的なのは、1回の撮影から複数の成果物を作る「ワンソース・マルチユース」です。

たとえば1日の密着撮影から、YouTube用の本編(4分)、TikTok用のショート(30秒×3本)、Instagram用のリール、採用サイト用のダイジェストを生み出せます。

これにより制作コストを抑えつつ、各接点で候補者に届けられます。前掲のサイバーエージェントやニトリのように、複数の型をチャンネル運用で束ねる企業ほど、この設計を徹底しています。

さらに重要なのが「動画マーケティングとして採用を捉える」視点です。動画は再生されて終わりではなく、視聴→採用サイト来訪→応募という導線(=ビジネス成果への流れ)まで設計して初めて機能します。

プラットフォームごとの役割を決め、動画から応募フォームまでの動線を引く。この設計は、SNS・動画運用の知見がある専門パートナーと組むと精度が上がります。

効果測定:視聴KPIと採用KPIをつなぐ

グラフとファネル図が表示されたモニターを分析するデータアナリスト

採用動画の効果測定でよくある失敗は「再生数だけを見る」ことです。再生数(視聴KPI)を、応募・承諾(採用KPI)につなげて評価する設計にしましょう。

見るべき指標は、ファネルの段階ごとに分けて設計します。

ファネル段階視聴KPI採用KPI
認知再生数・インプレッション・リーチ採用サイト流入数
興味視聴維持率・平均視聴時間エントリー数・説明会予約数
志望度・不安解消完視聴率・特定動画の視聴率選考通過率・面談での志望度
応募・承諾動画経由の応募フォーム到達応募数・内定承諾率・辞退率

たとえば「採用サイトに来た人のうち動画を視聴した割合」「動画を見た候補者と見ていない候補者で、内定承諾率にどれだけ差があるか」を比較すると、動画の貢献を可視化できます。

計測できる形(動画の視聴計測タグ、応募経路のアンケート項目など)をあらかじめ用意しておくことが、改善の前提になります。

採用動画の効果を高める運用のコツ

2つの動画サムネイルを比較しながら議論する人事チーム

採用動画は「1本の完成度」より「運用の継続性」で差がつきます。公開後にどう改善し、社内をどう巻き込むかが、応募につながるかどうかを分けます。

公開後に効果を伸ばす4つのコツ

  1. 冒頭のA/Bテストを行う:SNS向けショートは、同じ本編でも冒頭のフックを変えた複数パターンを出し、視聴維持率の高いものに寄せていきます。
  2. 配信頻度を保つ:認知目的のショートは、1本の作り込みより投稿本数(接触回数)が効きます。無理のない頻度を先に決めておきます。
  3. 反応の良い型に投資する:どの動画がエントリーにつながったかを見て、勝ちパターンにリソースを集中させます。
  4. 情報を最新に保つ:制度変更や組織変更があれば、該当箇所を差し替えます。古い情報のまま放置すると信頼を損ないます。

社内をうまく巻き込む進め方

採用動画の質は、出演する社員の協力度に大きく左右されます。撮影を「業務外の負担」と感じさせないために、次の点を意識しましょう。

  • 目的を共有する:なぜ動画を作るのか、会社の採用にどう役立つのかを出演者に事前に説明する
  • 出演者を無理に増やさない:協力的な社員から始め、社内に成功体験を作ってから広げる
  • 編集で見栄えを担保する:噛んでもテロップやカットでカバーできると伝え、心理的ハードルを下げる
  • 公開後に反応を共有する:応募や好意的なコメントを社内に共有し、次への協力につなげる

こうした運用面まで設計しておくと、採用動画は単発で終わらず、継続的に改善される「生きたコンテンツ」になります。

よくある失敗と回避策

チェックリストを確認しながら採用動画の失敗要因を検証するミーティング

採用動画の失敗はパターン化されています。制作前に「やらないこと」を決めておくだけで、多くの失敗を避けられます。

よくある失敗何が起きるか回避策
目的が曖昧なまま作る何を測ればよいか分からず、費用対効果が不明にステップ1でKPIを1つに絞る
情報を盛り込みすぎる何も伝わらず、離脱される1本=1メッセージに絞る
制作に注力し、配信を軽視良い動画が誰にも見られない配信先・導線を企画段階で決める
特定の社員に依存しすぎるその社員の異動・退職で使えなくなる複数名で構成/差し替え前提に
かっこよさが目的化する印象は良いが応募につながらない必ず応募導線を入れる
内製にこだわり中途半端な品質に音声・テンポが悪く逆効果品質基準を決め、必要なら部分外注

特に「作っただけで配信しない」失敗は非常に多いパターンです。前掲のプラットフォーム戦略のとおり、「どこで・誰に・どう届けるか」を先に決めてから制作することを徹底しましょう。

内製か外注か|判断軸と使い分け

スマートフォンで撮影する社員とプロ機材で撮影する制作クルーの対比

採用動画の内製・外注は二者択一ではなく、「どこを自社でやり、どこを任せるか」の役割分担で考えると最適解に近づきます。

内製と外注の特徴を整理すると次のとおりです。

観点内製外注
コスト外部支出は少ないが社内工数が大費用は発生するが工数を圧縮
スピード・本数ショートを高頻度で出しやすい大型の1本を計画的に作りやすい
クオリティ担当者のスキルに依存安定した品質が期待できる
継続性・ノウハウ社内に知見が貯まる社内に残りにくい(支援型なら残る)
向く用途SNS向け縦型の量産・運用コンセプトムービーなど作り込み

現実的なおすすめは、「作り込みの必要な看板動画(コンセプトムービー・採用ピッチ)は外注、日常的に量産するSNSショートは内製」という組み合わせです。

さらに、外注でも「丸投げ」ではなく、企画・撮影の型を教わりながら徐々に内製へ移行する内製化支援(インハウス化)を選べば、コストを抑えつつ社内にノウハウを残せます。

「自社に動画運用の知見がなく、どこから手をつけるべきか分からない」「YouTube・TikTok・Instagramをまたいだ採用動画の設計を相談したい」という場合は、SNS・動画運用を横断で支援できるパートナーに、戦略設計の段階から相談するのが近道です。

よくある質問(FAQ)

採用動画の検討時によく寄せられる質問をまとめました。

採用動画の相場はいくらですか?

動画タイプによりますが、社員インタビュー1本で10〜30万円、会社紹介で30〜80万円、凝ったコンセプトムービーで80〜200万円が目安です。全体では10万円〜200万円の幅があります。

SNS向けの縦型ショートは、複数本パッケージで比較的安価に始められます。

採用動画の最適な長さは何分ですか?

用途で異なります。SNSで拡散する縦型ショートは30秒前後、採用サイトや説明会で使うインタビュー・密着は1〜3分(長くても5分未満)が目安です。

冒頭数秒で惹きつけ、最後に応募導線を入れる構成が基本です。

採用動画は本当に必要ですか?

求職者の約9割が「あったほうがよい」と回答し、視聴後の志望度アップも約7割に上るなど、いまや前提に近い施策です。特にZ世代を採りたい企業では、動画がないこと自体が機会損失になり得ます。

中小企業でも効果はありますか?

あります。むしろ知名度で大企業に劣る中小企業こそ、社員のリアルな姿を見せることで「規模では測れない魅力」を伝えられます。

前掲の三和交通や川邊組のように、豪華な演出より、等身大の社員や現場のショート動画のほうが応募につながるケースは珍しくありません。

採用動画を作れば応募はすぐ増えますか?

動画単体で急増するわけではありません。「どこで・誰に届けるか」の配信設計と、視聴から応募までの導線があって初めて効果が出ます。公開後もKPIを見ながら改善するのが前提です。

まとめ

採用動画は、テキストの求人票では伝わらない「社風・人・働くリアル」を届け、応募数と志望度、そして内定承諾率まで動かせる採用施策です。本記事の要点を整理します。

  • 採用動画は求職者の約9割が求め、視聴後の志望度アップは約7割。もはや前提に近い施策
  • 成功の鍵は「動画タイプ」を採用ファネルの段階に合わせて選び、実在事例の型を組み合わせること
  • 作り方は「目的・KPI設計」が8割。撮影より前の設計で成否が決まる
  • 費用は10万〜200万円が目安。タイプと演出、内製/外注の切り分けで最適化できる
  • YouTube・TikTok・Instagramを横断し、ワンソース・マルチユースで届ける設計が費用対効果を最大化する
  • 再生数(視聴KPI)を応募・承諾(採用KPI)につなげて評価し、改善を回す

もっとも重要なのは、採用動画を「1本の映像制作」ではなく「動画マーケティングによる採用課題の解決」として捉えることです。作って終わりにせず、届ける導線と改善のサイクルまで設計できれば、採用動画は継続的に応募を生む資産になります。

自社に最適な採用動画の設計・運用を相談したい方は、SNS・動画を横断で支援するパートナーに、戦略段階から相談してみてください。

この記事を書いた人

執筆:Re.Quest編集部
運営責任者:青木創士

株式会社Re.Questが、企業のYouTube・Instagram・TikTokをはじめとするSNS運用支援で蓄積した知見をもとに制作しています。情報の検証方法や利益相反への対応は、編集方針をご確認ください。

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