
「YouTubeで実際に検索されているキーワードを調べて、動画企画に活かしたい」——結論から言えば、YouTube検索キーワードの調べ方は「サジェスト取得」「検索ボリューム推定」「YouTube Studioのリサーチタブ」「競合動画の逆算」の4つを組み合わせるのが基本です。
単体のツールで完結させようとすると精度が落ちるため、複数の情報源を突き合わせて「需要があり、かつ自社が勝てる」キーワードに絞り込む手順が実務では重要になります。
この記事では、無料ツールを中心にした具体的な調査手順、調べたキーワードを動画企画へ落とし込む判断基準、そして企業のYouTube担当者が陥りがちな失敗までを、実務目線でまとめました。
管理画面の機能名は変わることがあるため、最終確認は投稿時点のYouTube Studioで行う前提で読み進めてください。
キーワード調査は「なんとなく人気そうな言葉を探す」作業ではありません。目的は「視聴者が実際に打ち込む言葉」と「その言葉で自社が上位表示を狙える余地」の両方を把握することです。
この2軸がずれると、需要はあるのに競合が強すぎて埋もれる、あるいは競合は弱いが誰も検索しないテーマを作ってしまう、という結果になります。
まず前提として、YouTube検索とGoogle検索は挙動が異なります。
Googleでは細かく言葉を分けて検索する人が多い一方、YouTubeでは「筋トレ 初心者」「エクセル 使い方」のように、ざっくりした2〜3語で検索される傾向があります。
動画は「見て学ぶ・体感する」ためのメディアなので、検索意図も「やり方を知りたい」「実際の様子を見たい」といった行動寄りになります。
このため、Google向けに考えたキーワードをそのまま流用すると、YouTube上では検索されない言葉を狙ってしまうことがあります。YouTube専用の調査を行う意味はここにあります。
VSEO(動画検索最適化)では、選んだキーワードを「タイトル・概要欄・タグ・字幕・動画内の発言」に一貫して反映させることで、YouTubeのアルゴリズムに「この動画は何についての動画か」を正しく伝えます。
キーワード選定を誤ると、どれだけ動画の質が高くても、そもそも表示される検索面に載らないという致命的な問題が起きます。企画の入口であるキーワード調査は、VSEO全体の成否を左右する工程です。
なお、VSEOの全体像や個別の施策については、内部の関連記事「YouTube VSEO 対策」でも詳しく解説しています。本記事は「キーワードの調べ方」に絞って深掘りします。
キーワード調査は、大きく4つのアプローチに分けられます。それぞれ得られる情報が違うため、順番に組み合わせて使うのが実務の鉄則です。
| アプローチ | 分かること | 主な手段 | 精度・注意点 |
|---|---|---|---|
| ①サジェスト取得 | 実際に検索されている関連語の候補 | YouTube検索窓、ラッコキーワード | 需要の「幅」を把握。数量の多寡は分からない |
| ②検索ボリューム推定 | キーワードごとの検索需要の大きさ | キーワードプランナー、Googleトレンド、VidIQ等 | あくまで推定値。Google由来のため誤差あり |
| ③YouTube Studioのリサーチ | 自社視聴者が実際に検索した言葉 | YouTube Studioのリサーチタブ | 一次データで最も信頼度が高い |
| ④競合動画の逆算 | 上位動画が狙っているキーワード | 上位動画のタイトル・概要欄・タグ分析 | 勝ち筋のパターンを把握できる |
以下、それぞれの具体的な手順を解説します。
最も手軽で、かつ実データに近いのがサジェストの活用です。サジェストキーワードとは、検索窓にキーワードを入力したときに自動表示される候補で、多くのユーザーが実際に検索している語を反映しています。
手順は次の通りです。
手作業では時間がかかるため、ラッコキーワードのYouTubeサジェスト取得機能を使うと、1つのキーワードに対して数百〜1000件前後の候補を一括で取得できます。
まずはこの工程で「視聴者がどんな言葉で検索しているか」の全体像を掴みます。
サジェストで集めた候補は、そのままでは「どれがよく検索されているか」が分かりません。そこで検索ボリュームを推定します。
YouTube専用の正確なボリュームを公式に取得する手段は限られているため、実務では次の方法を組み合わせます。
重要なのは、表示される数値を絶対値として鵜呑みにせず、キーワード同士の「相対的な大小」を見る姿勢です。ツールによって数値は変わるため、複数を突き合わせて傾向を掴みます。
すでにチャンネルを運用している場合、最も信頼できるのが自社の一次データです。
YouTube Studioの「リサーチ」タブでは、視聴者があなたのチャンネルやYouTube全体で検索した言葉、視聴者の検索需要と自社コンテンツのギャップが確認できます。
投稿時点のYouTube Studioで、アナリティクス内のリサーチ機能を開き、次の観点で確認します。
このデータは「実際に自社の視聴者が求めているもの」を直接示すため、企画の優先順位付けに直結します。まだ動画本数が少ない立ち上げ期は表示データが限られますが、運用が進むほど価値が高まる情報源です。
最後に、狙うキーワードで実際に検索し、上位に表示される動画を分析します。ここで見るのは次の点です。
上位動画がすべて登録者数の多い大手チャンネルで占められている場合、そのキーワードは自社が今すぐ勝つのは難しいと判断できます。逆に、上位に中小規模のチャンネルや情報が古い動画が混ざっていれば、参入の余地があるサインです。
競合の逆算は、次章の「勝てるキーワードの絞り込み」に直結します。
キーワードを大量に集めただけでは企画は進みません。ここからは、集めた候補を絞り込む判断軸を示します。企業チャンネルで成果を出すには、この絞り込みの精度が決定的に重要です。
需要が大きくても競合が強すぎるキーワードは、立ち上げ期には避けるのが定石です。逆に、検索需要は中程度でも競合が弱く、自社の専門性で明確に上回れるキーワードこそ、最初に狙うべき「勝てるキーワード」です。
具体的には、以下のような優先順位で考えます。
キーワードが検索される背景の意図が、自社が提供できる内容と一致しているかを確認します。
たとえば「〇〇 やり方」なら手順解説、「〇〇 おすすめ」なら比較・ランキング、「〇〇 失敗」なら注意喚起、というように検索意図によって作るべき動画は変わります。
意図とずれた動画を作ると、表示されても視聴維持率が下がり、結果的に検索順位も落ちます。
企業チャンネルでは、再生数だけでなく「その動画が問い合わせや商品理解につながるか」も判断軸になります。
検索需要が小さくても、購買意欲の高い層が検索するキーワード(例:具体的な商品名やサービス比較の語)は、B2Bや高単価商材では優先度が上がります。再生数の大きさと、ビジネス貢献度は必ずしも一致しないことを念頭に置いてください。
このあたりの「需要はあるが自社で勝てるかどうか」の見極めは、実際に手を動かしてみると想像以上に判断が難しい工程です。ツールの数値だけでは決められず、業界知識と競合の実態を突き合わせる必要があります。
自社だけで進めて迷ったときは、専門家の視点を借りるのも一つの選択肢です。
キーワードは「調べて終わり」では意味がありません。ここからは、選定したキーワードを実際の動画制作へ反映させる手順を解説します。
1本の動画には、メインキーワードを1つだけ設定するのが原則です。複数のキーワードを詰め込むと、テーマがぼやけてアルゴリズムに正しく認識されません。
メインキーワードを軸に、関連するサブキーワードを2〜3個補助的に添える構成にします。
タイトルには、メインキーワードをできるだけ前方に、かつ自然な日本語で含めます。ただし機械的な詰め込みは逆効果です。
「検索キーワードを含んでいる」と「クリックしたくなる」の両立を意識し、数字やベネフィット、具体性を加えてクリック率を高めます。
キーワードは以下の場所に一貫して配置します。
タイトルだけでなく、動画内で実際にそのキーワードについて話しているかどうかも、YouTubeがテーマを判断する材料になります。台本段階からキーワードを意識することが大切です。
サジェストやリサーチタブで集めた関連キーワードは、1本ずつ別動画にすることでシリーズ化できます。
関連するテーマを網羅的に投稿すると、チャンネル全体が「その分野に強い」と評価され、個々の動画の順位も上がりやすくなるという好循環が生まれます。キーワードマップを作り、計画的に投稿を積み上げていくのが効率的です。
なお、季節性やトレンドの波を捉える調査については、内部記事「YouTube トレンド 調べ方」で補足しています。
トレンドキーワードは瞬発的な再生数を稼げる一方、資産性が低いため、定常的な検索キーワードと組み合わせて設計すると安定します。
実務で頻出する失敗パターンを、回避策とセットで整理します。ここを押さえるだけで、無駄な動画制作を大きく減らせます。
前述の通り、YouTubeとGoogleでは検索される言葉が異なります。Googleで検索ボリュームが大きくても、YouTube上ではほとんど検索されないキーワードは珍しくありません。
回避策は、必ずYouTubeのサジェストとYouTube Studioのリサーチタブでクロスチェックすることです。
ツールが表示するボリュームはあくまで推定値で、しかもGoogle由来のものが多く、YouTube実態とはずれます。1つのツールの数字だけで判断せず、複数の情報源と競合の実態を突き合わせて相対比較する姿勢が必要です。
「YouTube 集客」のようなビッグワードは魅力的ですが、大手チャンネルがひしめき、立ち上げ期には勝てません。最初はロングテールで確実に上位を取り、実績を積んでからミドル・ビッグへ広げるのが正攻法です。
タイトルにキーワードを入れても、動画の中身が検索意図に応えていなければ、視聴者はすぐ離脱します。視聴維持率の低下は検索順位に悪影響を与えます。
台本段階で「このキーワードで検索した人が本当に知りたいことは何か」を言語化してから制作しましょう。
キーワードの需要やトレンドは時間とともに変化します。一度調べて終わりにせず、公開後はYouTube Studioで「どの検索語から流入したか」を確認し、想定と実態のずれを次の企画に反映します。
キーワード調査は一度きりの作業ではなく、公開後の検証まで含めたサイクルとして回すことが成果につながります。
こうした調査・企画・検証のサイクルを社内リソースだけで継続するのは、想像以上に負荷がかかります。担当者が他業務と兼任している企業では、キーワード調査の質を保ちながら投稿を続けること自体が難しくなりがちです。
自社運用の設計や、外注と内製化のバランスに迷ったら、実績のある支援先に相談すると遠回りを避けられます。
はい、あります。ラッコキーワード(YouTubeサジェスト取得)、Googleキーワードプランナー、Googleトレンド、YouTube Studioのリサーチタブは、いずれも無料で利用可能です。
VidIQやTubeBuddyなどのブラウザ拡張も、基本機能は無料で使えます。まずはこれらを組み合わせれば、有料ツールなしでも十分な調査ができます。
検索窓にキーワードを入力したときに、自動で表示される検索候補のことです。多くのユーザーが実際に検索している語をもとに表示されるため、リアルな検索需要を反映しています。
関連語を効率よく集める入口として最も手軽で、実データに近い調査手段です。
基本は4ステップです。
①YouTube検索窓とラッコキーワードでサジェストを集める、②キーワードプランナーやトレンドでボリュームを推定する、③YouTube Studioのリサーチタブで自社視聴者の検索語を確認する、④上位動画を分析して勝ち筋を逆算する——この順で進めると、需要と競合性の両面から精度高く調べられます。
関係あります。YouTubeは、動画のタイトル・概要欄・タグ・字幕・動画内の発言などから「その動画が何についてのものか」を判断し、検索ワードとの関連性が高い動画を上位に表示します。
つまり適切な検索ワードを動画情報に反映させることは、検索結果での表示に直接影響します。ただし関連性だけでなく、視聴維持率やクリック率といった視聴者の反応も順位に影響するため、キーワード設定と動画品質の両輪が必要です。
急上昇ワードやトレンドの傾向は、Googleトレンド(YouTube検索に絞った表示)や各種分析ツールである程度把握できます。
ただし完全な公式ランキングは公開されていないため、複数ツールとサジェスト、リサーチタブのデータを組み合わせて傾向を推測するのが実務的なアプローチです。
YouTube検索キーワードの調べ方を、実務手順に沿って解説してきました。要点を振り返ります。
キーワード調査は、YouTube運用の成否を左右する最重要の入口工程です。
一方で、ツールの数値だけでは判断できない「自社が勝てるかどうか」の見極めや、企画・台本・検証まで一貫して回す運用設計は、社内リソースだけでは難しい場面も少なくありません。
自社でのキーワード調査から動画企画への落とし込み、運用体制の設計に課題を感じている場合は、YouTube・SNS運用支援の専門家に相談することで、遠回りを避けて成果に近づけます。
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ここまで読んだ方は、次に以下の記事も確認すると、施策の設計から改善までつながりで理解しやすくなります。